行くべき聖地・パワースポット

改めて確認する伊勢神宮の参拝方法

年々参拝者が増えている伊勢神宮では、もはや聖地における静寂を無条件で求めることは難しくなっています。伊勢へ行って何も分からず人混みの中をさ迷い、ただただ疲れて帰ってくるだけとなる場合もあります。

しかし、日本人であれば誰でも伊勢神宮の御神気に触れることで目に見えない大きな存在を実感できるはずです。そんな日本でも最高のパワースポットと言われる伊勢神宮ですが、果たして個人的なご利益を求め参拝してもよいものでしょうか。

これからの伊勢神宮の参拝方法を改めて考えてみたいと思います。

伊勢神宮では2013年の10月から20年に一度の式年遷宮が行われました。内宮・外宮の正宮から始まって別宮の社殿まで全て造り替えています。

伊勢神宮への参拝者はスピリチュアルブームということも多少あったのでしょうが、この式年遷宮を前後して年々増加傾向にあるように思えます。

ゴールデンウィークや年末年始は言うまでもなく、土日や祝日ともなると伊勢神宮は大混雑となります。個人の参拝者や団体ツアー客の大集団が入り乱れ、雑踏の中で静かに参拝することはまずできません。

そして、初めて参拝する人は所々で目を疑うような情景を目の当たりにして驚くことがあるかもしれませんね。

最も混雑する内宮のご正宮では、参拝客の列が石段の下まで続いていることがあります。初詣でしか見ることのないような状況です。
伊勢神宮にご利益を求めて訪れる日本全国からの参拝客で溢れかえっています。

早朝に訪れるとまだ少しは静けさを感じられたこともありますが、徐々に早朝から多くの参拝者も目にするようになりました。結構まだ早い時間帯にも団体客がやってくる様になっています。今や伊勢神宮はいつ行っても参拝者で賑わっています。

また、伊勢神宮の神職さんも途切れることのない参拝客を相手にしてかなりたいへんな状況であるのだと参拝に行く度に思います。

参拝者に対する対応もどうしても機械的になったり、流れ作業になったりすることはあるかと思います。

特に、最近増加傾向であると思われるご正宮の一般の参拝者が入れない場所で参拝する御垣内参拝の希望者に対応する場合、押し寄せる参拝者を何とかさばくことだけに終始せざるを得ない神職さんをよく見かけます。

決して心を乱すことはなく坦々と対応する神職さんの姿には感心するのですが、特に内宮のご正宮の参拝は既に定員オーバーしている状態なのではないかとさえ感じます。

土日祝日、ゴールデンウィーク、年末年始、連休は余りにも人が多過ぎて、一般の参拝はもちろんのこと、特別に参拝する御垣内参拝でも心を落ち着けたり静かに内観するような瞬間は一瞬たりともありません。

人混みと雑踏の中でただただ形式ばかりの参拝が延々と続いていくだけに思えます。

そんなまるで観光地化しているかの様だと言っても決して言い過ぎではない伊勢神宮ですが、では訪れた者はせめて一体どの様な参拝を心がけたらよいのでしょうか。

ビートたけしさんの感じた伊勢神宮とは?

以前、ビートたけしさんが「人生初の伊勢神宮参拝」というテレビ番組の中で伊勢神宮の内宮を参拝されました。社会的にも発言力のある立場にいるビートたけしさんが伊勢神宮についてどんなことを言われるか注目していました。

番組では以下の様なことを言われていましたが、これを聞いてさすがビートたけしさんは、本当に感性の優れた方なのだと思いました。

「宇宙を感じる。ここは家内安全なんて願うところじゃないな。」

伊勢神宮と言えば日本国内では最大の神社なので、ここで家内安全とか商売繁盛、縁結びなどのご利益を願ったら効果があるのではないかと単純に考えてしまうので我々凡人です。

しかし、一方で伊勢神宮へ行って、「ここは普通の神社とは違う。」と感じる方は多いかと思います。敷地の広大さや森の深さから感じることもありますし、式年遷宮に代表される様な歴史・文化的な側面やここに脈々と続いている伊勢神宮の神事から憶測できる日本人の心の原点の様な感覚を覚える人も決して少なくは無いはずです。

人混みにかき消されそうになってしまうこともありますが、伊勢神宮には確かに日常では決して感じることができない高貴な御神気が存在しています。

自分の存在を超えるもっと大きな存在を感じ、自分のちっぽけな存在を振り返るきっかけになるかもしれません。そして、自ずと生かされていることに対する感謝だけが沸き起こることでしょう。

そして、伊勢神宮ではとても家内安全どころの話ではないこと、個人レベルの御利益を願う場所ではないことに誰でも気付くはずなのです。

何ごとの おはしますかは知らねども

かたじけなさに 涙こぼるる

西行

これは西行法師が伊勢神宮を参拝した際に、詠んだものです。

日本人であるならば、この言葉が心に響かない人はいないはずです。
この歌の意味が痛いほどよく分かることでしょう。

どんな小さな人間であってもその存在が許されているということを思うだけで誰でもかたじけないなという思いが湧き上がります。
どんな自分でも目に見えない大きな存在に生かされているのだということを考えるだけで涙が流れてきます。

伊勢神宮はとにかくパワースポットであるというだけで全てを語るには余りに捉え方が軽過ぎます。
伊勢神宮を参拝する際には感謝の思いしか残りません。

伊勢神宮とは、そういう聖地なのです。
感謝のみ。ひたすら感謝。感謝だけ。ただただ、ありがたい。
個人的なご利益なんてとんでもありません。

日本人の大切な心のふるさと、伊勢神宮を単なるご利益スポットとして扱うことで汚すことの無い様に氣をつけなくてはなりません。

伊勢神宮へ参拝する方にはぜひとも以上のようなことを心に受け留めて頂きたいと、日本人の一人として思っています。

これから伊勢神宮へ参拝する人へのアドバイス

さて、伊勢神宮では厳粛な心持ちで訪れ自らを内観し感謝の気持ちだけを表明する、個人的な御利益を願うことは控えるというような参拝の話を続けています。

しかし、いつ行っても混雑していてなかなか静かに集中して参拝できないのもまた事実です。

それでも形ばかりの参拝だけで終わらないためにも、以下の点を参考にして参拝されることをお勧めしたいと思います。

空いていそうな早朝や平日に参拝するということができればさほどウンザリすることなくお伊勢参りができるかもしれません。

しかし、最近は平日の早朝であっても参拝客を見ないことはありません。
午前中の早い時間帯でも団体ツアー客がどっと押し寄せるリスクは常にあります。

たまたま参拝に訪れた日時・時間帯が空いていればよいのですが、その確率も少なくなりつつあります。

もはや混雑するのが当たり前と開き直って参拝するしかないとも言えなくもありませんね。

内宮・外宮で感謝を伝え、別宮で内観する

できるだけ早朝に内宮・外宮のご正宮へ参拝して、その後に月讀宮、倭姫宮など、更には少し遠出になるかもしれませんが、滝原宮や伊雑宮などの別宮に参拝されることをお勧めします。

早朝の伊勢神宮は、最近は平日の朝から混雑しているとは言え、日中よりは明らかに空いています。
まだ団体ツアー客が朝食をとっている時間帯が狙い目かもしれませんね。

まだ早朝であれば、時間帯によっては内宮・外宮のご正宮から一瞬でありましょうが人混みが消える瞬間があります。
落ち着いて心を整えて参拝できる時間はきっとあるには違いありません。

ぜひ、ご正宮を前にして心を無にして感謝の気持ちを伝えましょう。

尚、内宮・下宮ではお賽銭箱の前に行列が長々とできていることが多いと思いますが、その行列の後ろに並び順番を待つ必要はありません。
行列の横や後方から手を合わせるだけても全く構いません。また、必ずお賽銭をしなくてはならないということもありません。別の場所で多めにお納めしても良いのです。
賽銭箱の前に陣取って長々と自分のお願い事を並べることだけは避けなければなりません。

そして、その後には別宮を訪れては如何でしょうか。
神宮(伊勢神宮)は、125社あります。他の伊勢神宮の別宮や摂社、末社にも行ってみましょう。素晴らしいお宮はたくさんあります。

別宮は内宮・外宮に比べれば明らかに参拝客による混雑は少ないです。
全く人がいないことは無いでしょうが、静かな内観の時間を過ごすには十分な場所だと思います。

別宮では、内宮・外宮で自分は一体何を祈ったのかを思い起こしてみるのも良いでしょう。そして、今回、伊勢神宮へ訪れたのはどの様な経緯からだったのか。
これから自分は何をしたいと思っているのか。
そのためにどんな誓いをすることができるのか、など。

内宮・外宮では人が多過ぎて気が散ってなかなかそこまで深く考えられないかもしれません。しかし、別宮では静寂の中で全ての思いを辿ることができることでしょう。
大いなる気付きがあなたに訪れることをお祈り致します。

以上のことは、伊勢神宮へ参拝に行くという方、特に初めて行くという方はぜひ心得ておいて頂きたいと思います。

そして、各お宮にどのような神さまが祀られているのかを知るために、参拝前に神社入り口にある由緒を読むようにしましょう。

我々が神社を訪れる時に神社の成り立ちや御祭神を知ることは礼儀の一つとなりますので、ぜひ実践しましょう。

伊勢神宮での祈りが世界の平和へとつながる

今、日本や世界各地でも経済危機への不安が常にあります。また、天変地異や異常気象への不安というものも消えることはありません。

こんな時だからこそ伊勢神宮で日本や世界の安全と平和を祈り、私たちの暮らしに感謝を伝えることが大切だと思います。

日本の歴史を見ても、人の心が神様から離れたとき、天変地異や疫病などが起こっているようです。

内宮の入り口にある看板に、崇神天皇がアマテラスオオミカミをお移しになられた経緯について簡単に書かれています。

それを理解するだけで日本における伊勢神宮の存在の意味が見えてきます。

神々に感謝を伝え、お悦びいただく。すると神々はさらにご神威を発揮されます。

我々1人1人が無知を知に変えそれを実践することによって、日本という国はより強くパワーのある国になるのだと言えるのではないでしょうか。

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