人は誰でも幸せな人生を送りたいと思っているものですが、「幸せな人生」とは一体どんなものなのでしょうか。人によっては、幸せな恋愛・結婚にこそに価値を置いて運勢占いなどに夢中になることもあるでしょうし、社会的な自立や自己実現を目指したり、仕事こそ我が人生として仕事上の成功や出世等を求めることもあるでしょう。
しかし、古い親の世代の結婚観や仕事意識が薄れ、年収や生活レベルにこだわらずに好きな仕事を楽しむことを大切にしたり、結婚したい人が現れなければ一生独身でも構わないと思う様な考え方も決して珍しいことではない様です。
「幸せな人生」とは十人十色であり、本人が人生の最後に後悔することなく幸せな人生だったと実感できるのであれば、それはそれで幸せな一生なのではないかと考えたりします。
しかし、スピリチュアルな視点から考えてみると、「幸せな人生」の意味合いが少々異なってくる様です。楽しくて自分が満足する人生も確かに幸せなのでしょうけれど、一度しかない今の人生を目標を定めて積極的に幸せを求める必要性がある様にも思えます。
スピリチュアルな視点から幸せな人生とは
スピリチュアリストの江原啓之さんによれば、幸せな人生を送るには欠かせない条件があり、それは自分の人生の「宿命」と「運命」を正しく理解すること、そして、自らの「宿命」を受け入れ、その上で自由自在に「運命」を操れることであるとされます。
一般的に宿命と運命はよく混同されて使われていますが、スピリチュアルな視点では全くの別のものです。
●宿命・・・持って生まれたカリキュラム(性別、生まれた国、時代、家族、健康、容姿)
●運命・・・自分なりのさまざまな努力と創意工夫で創り上げるもの
人生の中の前提条件であり、基本的に変えることができないものが宿命です。性別や国籍等、変えることができるかもしれませんが、この世に生を受けた時の初期条件を遡って変えることはできません。
一方で、宿命という前提条件を受けて、その後の人生で自分の裁量でどのようにも選択していけるものが運命です。決して、生まれた時の前提条件(宿命)でその後の人生(運命)が全て決まってしまう訳ではありません。
宿命について
スピリチュアルな視点では、私たちは生まれる前に前提条件を決めて生まれています。そして、実は一人ひとりの人生の意味(今生でやり遂げなければならないこと)が、そこに凝縮されているのです。
●性別:男性は「父性」、女性は「母性」を学びたくて選んで生まれています。
●生まれた国、時代
日本人として現代に生まれてきたとするのならば、
・日本という国だからこそ学べていることは何か?
・他の国の文化や価値観の中で学べないことは何か?
・日本の長所、短所から何が学べるか?
・現代の日本だからこそ学べることは何か?
私たちは、その様な国レベルの人生のテーマをも持って生まれているのです。
宿命と運命の関係を学校生活に例えてみると
あなたがある学校に入学したとします。
その学校で学びたくて、一生懸命に受験勉強をして合格しました。
●その学校で既に決まっている制服、校則、授業のカリキュラム・・・「宿命」
●その学校であなたがどう過ごすか ・・・「運命」
学校生活では、以上の様に分けることができるでしょう。
私たちの学生時代を思い出してみると、過ごし方は様々でした。
・何か一つの目標を掲げて、それを成し遂げようと努力する人。
・懸命に勉強をして良い成績を挙げようとする人。
・勉強は程ほどにして、部活動に熱心に取り組んだ人。
・友人をたくさん作り多くの友情を育んだ人。
・「宿命」である授業をよくサボる人・・・、など。
その学校(宿命)でどんな経験をし、どれだけ有意義に過ごすかは、ひとえに個人1人ひとりの自由意志にかかっていました。
運命は自分で作り上げるもの
イギリスの語学学校に通っているとき、先生からこんなことを聞かれました。
「日本人は占いや風水で悪い方角だったら、旅行へ行くことをやめるって本当?」
また、旅行手配で一部の風水にこだわるお客様に振り回されたこともあります。
「この方角に、この期間に、この宿に泊まらなくてはいけない!」
風水や方位学は関心がある人には重要なことだと思いますが、どうでもよいと思っている人には興味がないことです。もちろん、占いや風水を使って日々の自分を励ますことができればそれはとても良いことです。
しかし、余りにも周りの影響を強く受けて、全ての行動の拠り所を他に依存してしまうのでは、自分の運命を自分の自由意志で創り上げているのかどうかは疑問だとは言えないでしょうか。
大切なことは、自分の性別や容姿、家族、健康といった宿命を全て受け容れて、そこからどうやって良い運気を呼び込みながら生きることができるかを自分の自由意志で考えることです。良い運気を呼ぶも、悪い運気を呼ぶも自分次第です。
宿命の制限のある中でもそれを受け入れて、今自分にできる限りの精一杯の努力を継続する。たとえ一つの結果が不本意なものであってもそれをいつまでも気にせずに、人生の最後の最後まで責任を持って自分の自由意志で進み続ける。自分にとって「今やるべきこと」を坦々とやり続けるだけです。人生において、それが運命を作り上げるということであり、それ以外に我々のできることはありません。
決して、自らの宿命を受け入れずに呪ったり、変わらない宿命をどうにか変えることのみに人生の時間を費やすべきではないはずです。「宿命」という与えられた土台の上に、自分にしかできない「運命」という考えられる中での最高の作品を作り上げることに注力するべきなのです。
それらを理解している人が、幸せな人生を呼び寄せるのだと思います。