日常生活を豊かにする知恵

臨死体験から知る「この世の生きる目的」

死の問題

マウララニ人生の目的とは何でしょうか。人は一体何のために生きているのでしょうか。

普段、人はその種の疑問にはあえて触れずに日常生活を過ごしていますが、逆境に立った時や困難・苦難に陥った時、思い通りにいかなくてただただ苦しいだけの時、自分はどうしてこんな辛い目にあわなければならないのだろうと途方に暮れることがあります。

また、何をやってもうまくいかない時、誰も自分を理解してくれない時、漠然とした将来における不安にさいなまれ憂鬱感に襲われる時。

孤独感に覆われて、自分に対して価値を見出せない時。何の役にも立たない自分自身に腹立たしく思い、生きている意味など無いのではないかと自分を追い詰める時。

そんな時に、人は人生の目的を探し始めるのではないでしょうか。

そして、誰もが「死の問題」に行き着きます。
人は何故死ぬのか。死ぬと決まっているのに、何故生まれて来るのか。
死後の世界は存在するのか。

この様な「死の問題」に自分なりに決着をつけなければもう一歩も先へは進めない時、人は命がけでもがき苦しみます。苦しんで苦しんで、一筋の光が差し込んでくるまでもがき続けるのです。

「死の問題」を乗り越えない限り、人には決して心の平安は訪れないと言えるのではないでしょうか。

『人生は廻る輪のように』の著者であるエリザベス・キューブラー・ロス博士は、書籍の中で、約2万人の臨死体験の経験者のインタビューから、今を生きる我々は一体何をするべきなのか、どう生きればよいのかを導き出しています。

一筋の光として我々に生きるヒントを与えてくれるかも知れません。

マウナケア

死後の4段階

ここでは「死の問題」を臨死体験、つまりは「死後の世界もある」という観点から(あるいは真実から)乗り越えようとしています。死んだ後に生前に何をしておくべきかが分かるのだとしたら、その生前にしておくべきこと自体が人生の目的になる可能性が大きいのではないでしょうか。

エリザベス・キューブラー・ロス博士は約2万人の臨死体験者の証言から、死後4段階を経るとしています。博士の区分している死後の4段階についてそれぞれ抜粋し考察して、最終的にこの世を生きる目的を考えてみたいと思います。

~第1期~ 死の直後

心配停止後、明瞭な意識を持ちながら自分が体外離脱をしてエーテル状の体をまとっている事実に気づく。その場にいる人たちの状況が分かり、会話が聞こえる。死の瞬間にベッドサイドで親族が言った言葉を覚えていたりする。
体のハンディキャップは消え去る。肉体を脱ぎ去り、大きな喜びや楽しさを感じるという経験をする。

病院で死んだ後に幽体離脱してベッドに横たわる自分の死体を上から見下ろす等ということはよく聞く話です。肉体に制限を受けていた魂が死により肉体から自由になるのですから本当に開放感で満たされた瞬間なのかも知れません。

著書では、その瞬間の余りの楽しさに臨死体験者が生還後にひどい抑うつ状態になると書かれています。全盲や全身麻痺の人の障がいが無くなるのですから病室の上空で踊りだすのも分かる様な気がします。

~第2期~ 死後の世界に入る

肉体を置き去りにして別の次元に入る段階。独りで孤独に死んでいくのではないのだと知って安心する段階。思考の速度で何処にでも移動できる。自分が死んで家族がどんなに悲しむだろう思った瞬間に家族の側へ行くことができる。
この段階で守護天使(ガイド)に出会う。ガイドにより先立った両親や家族、親類、友人などの姿を見せてくれる。

人は独りで死んでいかなければならないと思っている人にとってガイド役の存在と出会えることは心強いかも知れませんね。また、魂は別の次元に入り、自由にどこでも移動できるということですので、残された家族が悲しんでいた場合には必ず傍らには故人が寄り添っているのではないでしょうか。

また、この世を先立った人々にまた出会うことができるだとしたら、嬉しい様な照れくさい様な気もします。臨死体験から生還した人達にも、この再会は積もる話の交換、抱擁等として記憶されていると書かれています。

~第3期~ 無条件の愛の了解

ガイドに導かれて、第3期に入っていく。その始まりはトンネルや門の通過で表現される。人によってイメージは様々。綺麗な川、山の小道、橋などその人のいちばん気持ちのいいイメージがあらわれる。そして、最後にまぶしい光を目撃する。
ガイドの導きで、その強烈な光は、ぬくもり、エネルギー、精神、愛であることが次第に分かる。ここで無条件の愛を体感する。ついに故郷に帰っていくのだという期待が高まる。

死後、暗いトンネルを抜け出た所で、圧倒的な光が差し込んでくるという話はよく聞きます。臨死体験からの生還者によれば、その光こそ宇宙のエネルギーの究極の本源であるとされています。それを神と表現することもあり、愛の中でも最も純粋な愛である無条件の愛を体験すると書かれています。

この時点で肉体に戻った人たちは異次元での体験がその後の人生に大きな影響を与えている様です。正に今までの人生を根本から変えてしまう体験をする訳ですから、今まで同様の人生を生きることはもはやできないでしょう。人生の目的は説明することができるのは「愛」以外にはないと知ったのですから。

~第4期~ 至上の本源

批判することも裁くこともない愛の本源を目の前にする。この段階ではエーテル状の体を必要とせず霊的エネルギーそのものに変化する。そこで全体性、存在の完全性を経験する。
走馬灯の様に生涯の回顧を行う。その人の生前の思考や行動の理由や他の人への影響など、詳細に全てが明らかにされる。
生前にどんな奉仕をしたきたか、意思決定において最善の選択をしてきたのかを問われる。最終的には無条件の愛を身に着けなければならなかったことが分かる。

人生の全てを走馬灯に映し出されて見せられるというのは、日本人であればどこかで聞いたことのあるような話ですね。

生きている間には様々なことを経験して成長していきますが、その中で人生に悩み苦しみ絶望したり、あるいは小さな喜びの中で幸福感を感じたりしてきたこと等、人生のあらゆることに関連する意味が明らかにされるとしたら、人生をそこで全て受け入れることができるのかも知れません。

ワイピオ渓谷

生きる目的とは何か

ロス博士の約2万人の臨死体験から生還した人達のインタビュー報告から、この世の中を生きている我々の人生を「生きる目的」が分かってくるような気がします。

人は死後に肉体から魂が抜け出て(体外離脱)からは、ひとたびエーテル状の体をまとうものの、最終的には霊的なエネルギー体そのものに戻ります。従って、生前にどんなに肉体的なハンディキャップがあったとしても、あるいは病気などから十分に健康的な人生が送れなかったとしても、あるいはまた如何に健康体であっても、肉体自体は(生前の)人生を「目的」を持って生きるための仮の姿なのだと言えます。

また、生前は時間や空間に物理的に制限されています。しかし、死後その影響は薄れて時空間の制限はなくなります。仮の姿から開放され、走馬灯の生涯回顧に象徴される様に生前のらゆるステージでの人生の意味を理解し、生前の自分の存在の完全性を実感するのです。

そして、臨死体験者の証言から、最後には「無条件の愛」を体感することが特に強調されています。それこそが人生の目的かの様に聞こえてきます。

神が人に与えた最高の贈り物。それは、自由意志による自由選択です。その自由選択により、生前にどんな意思決定をしたのか。

自分のためだけではない正しい選択、他人のため、人類を向上させる様な選択だったか。どれだけ無条件の愛を実践できたのか。

ここから、私たちは生きている間にどれだけ「世のため人のため」に生きてきたのか、どれだけ人に愛を無条件に与えていたのかを問われている様に思えます。

(第4期) 生前にどんな奉仕をしたきたか、意思決定において最善の選択をしてきたのかを問われる。最終的には無条件の愛を身に着けなければならなかったことが分かる。

臨死体験から導き出された人生を生きる目的とは『人生におけるどんな環境においても、最善の選択により無条件の愛を実践すること』であるとは言えないでしょうか。

人は生前に、肉体的、物理的な、多くの制限を受けながら生きていきます。そんな一生の中で、関わり合いのあることや、そこで出会う人々にどれだけ無条件の愛を与えることができるのか。更に如何にそれを体感できるのか。それを目的として人はこの世に生まれてくるのかも知れません。

そして、おそらく死後、走馬灯の生涯回顧の中できっと思うことでしょう。
今回の人生の目的は果たし得たのかどうだったのかを。

(参考文献)
エリザベス・キューブラー・ロス著 上野圭一訳
『人生は廻る輪のように』(角川文庫)

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