大祓祝詞の本来の意味
ちいろば旅倶楽部では奈良ツアーを毎年の様に開催してきましたが、その奈良ツアーで毎回一番最初に訪れるのは「春日大社」です。その春日大社では、いつも神職さんのご指導の下で「大祓祝詞講座」を行っています。
ツアーの大祓え祝詞講座では、ちょうどたくさんの観光客で賑わっている、そんな中で神職さんと一緒に神様の前で大祓詞を唱える機会があります。最近では多くの外国人観光客も春日大社を訪れますが、彼らには日本人が祝詞を唱える姿はどのように映るのでしょうか。
大祓祝詞の重要性を多くの人に伝えたのは、既に亡くなられている春日大社の葉室元宮司です。もともとは形成外科の名医であった方が、春日大社の宮司にまでなった方です。
葉室元宮司曰く、「すべて神様のお導きである」ということです。
今やるべきことをしっかりやっていけば、自ずと神様からお導きを与えられる。
そのお導きに逆らわないこと。
医師と宮司の両方を経験することによって、たくさんの人を導いて来られたのではと思います。
例えばこんな話があります。
病院に神棚を置いていました。
神棚で手を合わせる患者さんのほうが治りが早かった。
目には見えないものへの敬いをもつこと。
何でも「いいほう」に捉えられることが大事なようですね。
葉室宮司のお話の中で「きよめる」の意味についてありましたので少しご紹介したいと思います。
きよめるとは、「清める」と書きます。
本来は、「気よみがえる」だそうです。
つまり「神の気が甦る」ということなのだそうです。
単に綺麗だというのではなくて、そこに神のいのちが充ち満ちているというのが清め。
つまり清めとは、祓いと同じ意味なのです。
水で清めるというのは、神様の気が入った水で手を洗ったり、体を清めたりすることによって、その気が体の中に入ってきて、体中が神の気で充ち満ちてくる。
そいうことが「清め」であるということ、
今の人は祓いというと、自分だけを祓おうとしますが、本来はそうではなく、国全体を祓うこと。
それに「大」がつくと、大祓は国が幸せになるようにと、するもの。
日本全体が祓われたら、日本人全体が自分を含めて、幸せになるということです。
こういう壮大な考えのもとに行われているのが「大祓」です。
日本の国の基点に立ち戻る
東日本大震災が起こったときには、本当であれば国民をあげて、国の「基点」に回帰するような「行い」が、何かしら必要だったのではないかということが書かれている書籍があります。
この本では、わが国の起点を、両陛下は「祈り」という行いで再認識しようとしていました。
ですから、国民も本当は、天皇陛下のように、基点に立ち戻るための「行い」が必要だったのですが、そういうことに気づいたのは、両陛下とごく一部の信仰者だけだったと書かれています。
「大祓詞」は、日本国中の罪・穢れはすべて祓われるという、すばらしい神の素晴らしい言葉です。
大祓詞は日本で一番古い祝詞のひとつ。
そしてこの祝詞だけが現在でも日本全国の神社で毎日のように唱えられているのは、この大祓詞が真実の神の言葉であるという証拠だと思います。
それは本当のことだから続く。
ですからこの大祓は本当のことであるそれでずっと続いていると葉室元宮司はおっしゃっています。
今のような厳しい時代だからこそ、国の基点に戻った行動とはどんなことかを考え、そこへ立ち返ってもいいのかもしれません。
そのひとつの方法として、皆さんの日々の生活の中に「大祓詞」を唱えてみませんか?
罪・穢れが祓い清められる。
国全体の罪・穢れが祓い清められる。
ちいろば旅倶楽部の奈良ツアーではこれからも春日大社で大祓祝詞講座を続けていきたいと思っています。