女が男を守る
ちいろば旅倶楽部では「沖縄・久高島ツアー」を以前より開催しています。
このツアーは単なる沖縄観光旅行ではなく、琉球王朝時代の聖地、更には琉球神話で語られる聖地を訪れる聖地巡礼ツアーです。
東御廻り(あがりうまーい)の旅。それは、沖縄には古来から祖先を敬い、自然の恵みに感謝しきた歴史があり、そんな沖縄の精神文化に触れる旅なのです。
ある年の沖縄・久高島ツアーでも多くのことを沖縄から学びました。
そのうちの1つは、「祈り」についてでした。
沖縄・久高島ツアーは信仰の原点を体感するためのものであって、そこで重要となる場所は御嶽(ウタキ)であり、久高島でした。何れも祈りの場所です。
通常、現代の神社の神職さんには男性が多いので、神様との関わりを保つお仕事に就いているのは沖縄でも男性だけの様なイメージがあります。
しかし、古くは沖縄では、女性が神職だったのです。
沖縄の歴史には、ノロという任命を受けた女性の神職がいました。
ノロは人や国が栄えるように、祈りを捧げていました。
また、久高島では島で生まれた女性は「神女(カミンチュ)」として、男性や家族を守る役目がありました。たとえ結婚したとしても、実家の家族を守ります。日常生活の中で、女性が目には見えない様々な神々への感謝の祈りも捧げていました。
沖縄・久高島には男性が立ち入る事ができない祈りの聖地があります。そこでは女性だけが神女として祈りを捧げることができるのです。
そして、女性の祈りによって、男性女性を含めその家族や国が守られていたのです。そんな精神文化が沖縄・久高島に訪れてみて、そにはまた残っているように思えました。
久高島の祈りとは
久高島のガイドさんがおっしゃった、とても印象に残っている言葉があります。
「久高島では、祈りは感謝である」
その言葉を聞いて、果たして今までの自分の祈りは感謝であっただろうか?と自分自身に問いかけました。自分のお願いを聞いてもらうためだけの祈りではなかったかと。
ひふみともこ先生の書籍には、祈りと感謝について、以下の文章があります。
人から神に伝え、捧げ、祈る祈りと、感謝の心は、その者を浄め、その者を高め その者の周囲をも救い、その者の家族、知人友人、関係ある方々の全てを浄めゆくことが可能なり。
(中略)
人は、一に感謝。二に感謝。
『神から人へ 上』 ひふみともこ記 今日の話題社より
ひふみ先生の上記の文章を読んで、久高島で捧げられてきた祈りこそ、感謝の祈りであり、本物の祈りだったのだと確信しました。
祈りというと、いろんな我欲を含んでしまいます。
依存心ばかりで努力することのない神頼み。
久高島のガイドさんも、「欲が含まれたものは祈りとはいわない」と、おっしゃっていました。
久高島のことを思い出す度に、神々への祈りに心をこめ、浄き祈りを捧げることができるようになりたいと思うのです。そして、より感謝のこもった祈りと共に、また久高島を訪れたみたいと。