ちいろば旅倶楽部では2013年に初めて徳島県の神社仏閣を巡るツアーを開催しました。そして、日本神話で一番初めに産み出されたとされる淡路島の「おのころ神社」へも訪れました。
この年の徳島・淡路島ツアーは、基本的に日本神話を切り口に企画を行ってきましたが、徳島の古代信仰について調べれば調べるほどに奥が深いことに気付きました。
また、四国と言えば、四国八十八箇所巡礼の旅が欠かせないため、結局、初めての徳島ツアーでは様々な切り口を広く浅く学び取るという内容となりました。多くの視点から徳島・淡路島という地の古代信仰から日本神話までに触れる旅となりました。
大麻比古神社、四国八十八ヶ所巡礼と徳島古代信仰の講座
このツアーの目的とは・・・。
日本を生み出したイザナギノミコト・イザナミノミコトへの感謝。
日本に食を生み出してくださったオオゲツヒメノミコトへの感謝。
そして忘れてはいけないのが、「阿波忌部(あわいんべ)」のことでした。
ツアーの一番最初に訪れたのが、徳島の一の宮「大麻比古神社」。
新しい日本の3つの柱のうちの一つが「日本の古来の麻・大麻の復活」。
皆さんで日本古来の麻の大麻が復活しますようにお祈りしました。
その後、四国八十八ヶ所の第一番霊前寺と二番の極楽寺へ。
ちいろばのツアーではお寺に行くことが稀なため、実はお経を唱えるのは慣れておりませんで、今回のツアー参加の方の中でお経を唱えている方に先導していただき、なんとか唱えることができました。
慣れてくるとみんなで唱えるお経がまとまってきて、お寺を参拝する楽しみを感じました。
ツアー初日の締めくくりは、阿波歴史民俗研究会の林博章先生にお話をしていただきました。
林先生は徳島の歴史研究や阿波忌部族についての専門家であり、全国から講演依頼がある方でもあります。
ツアーで何度か訪れたことのある「野州麻紙工房」の大森会長と共に「麻フォーラム」の組織運営者でもあります。
林先生にプロジェクターを使いながらの徳島の国神であり、日本の食を生み出した神・オオゲツヒメノミコトと阿波忌部に関するお話をしていただきました。
お話の前に林先生に夕食も一緒に参加していただき、興味深いお話が聞けて、とても楽しい時間となりました。
林先生には、ちいろばの会員さんに大変お褒めの言葉をいただきました。
林先生が会場に入った途端、その場の「氣」が良かったとおっしゃり、ちいろば旅倶楽部の女性の皆さんは素晴らしい!とのこと。
そしてそんな皆さんに期待している!というお言葉をいただきました。(もちろん、男性の皆さんも大切ですよ)(^^;
阿波忌部族の祖先は、天岩戸神話でアマテラスオオミカミが岩戸に隠れていた際に、岩戸の前で神事をしたアメノフトダマノミコト。大麻比古神社のご祭神でもあります。
阿波忌部が阿波を出て安房の国(千葉県)に入り、そこで大麻や農業を伝え、全国に広がっていきました。
日本にある「粟」のついた地域は、阿波忌部族ゆかりの地と言われています。栃木県の麻栽培農家の野州麻紙工房の住所も以前は、「粟野町」でした。
粟(阿波)を持った神さまの「オオゲツヒメノミコト」そして阿波忌部。
日本という国の始まりは、徳島なのでは?といういろんな証拠を、これでもか!というぐらいに見せていただきました。(笑)
阿波忌部の、現代につながる大切なメッセージ
阿波の国からやってきた阿波忌部族がどうやって地元の人たちに入っていったかというお話がありました。
自分たちの技術や知恵を惜しみなくさまざまな人たちに与え、地元の人たちとの共生をしたということです。
日本人とは本来、与えることそして共に生きる国民性を持っていると思います。
阿波忌部族の子孫の女性たちは今でも、農業や自給自足を大切にしているということです。
現代の農業では、農家が食物を育てるための新たな知識を得ると、他の人には教えない傾向があるそうです。
「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんがよくおっしゃる言葉に「物を作る際に得た知識は、みんなに伝えて共有しましょう」があります。
そして、大麻比古神社にはご神田があります。
これからその神田で、木村秋則さん指導の自然栽培(土の力を活かして野菜や米を育てる。農薬や肥料は使わない)が行われます。
まさに時代の先端を行く食物の育て方が、大麻比古神社で行われているのです。
これから注目されるべき日本の「大麻」と私たちの体にいい食物の育て方と関連しているのでは?と思えてなりません。
といっても、昔の日本では農薬も肥料も使われずに食物はできていたはずなのですが・・・。
今の多くの日本人は、いろんな病を抱えているように思います。
ガンなどは、農薬や肥料・除草剤などが関係しているのではと、木村秋則さんは発言しています。
TPPが行われることになれば、ますます食に注意する必要がありますね。
食の神さまへの感謝を、ツアー2日目にお伝えに行きました。
上一宮大粟神社へ
ツアー2日目は上一宮大粟神社へ。
今現在の徳島の一の宮は大麻比古神社ですが、かつての一の宮は、上一宮大粟神社だったといわれています。
ご祭神は、オオゲツヒメノミコト。
私たち日本人にとって大切な五穀やその他、さまざまな穀物を生み出して下さった神さまであり、神話の中では、スサノオノミコトに殺されてしまう女神です。
この神さまが、伊勢神宮の外宮のトヨウケノオオカミではないかという説があります。
今回は上一宮大粟神社の阿部宮司にご祈祷をお願いしました。
このご祈祷が、今まで見たことがないご祈祷です。
上から何かを下ろすように指をくるくるまわしたり、腕を前に突き出したりして、私たちは呆然と見ていました。まるで神さまを降ろしていらっしゃるかのようでした。
他にもこの宮司さんは、四国八十八ヶ所巡礼にも同行されるそうで、まさに「神仏習合」の宮司さんでした。
かつての日本は、こうした宮司さんが当たり前だったのかもしれませんね。
その後、男女を表す対になった2つの立岩神社に参拝しました。
女性(オオゲツヒメノミコト)を表す立岩神社は、山の中の狭い道を30分ほど走ったところにあり、1人で行くには勇気のいる神社です。
貸切バスのドライバーさん曰く、この神社を行く団体ツアーは「ない!」と断言されていました。
古代信仰的な、不思議空間の神社でした。
巨大な石や空間を体感してきました。何かある!そんな聖地です。
そして次は男性を表す立岩神社へ。
そこは、高天原ではないかという説があり、その証拠にその神社のそばに「たたら」がありました。
アマテラスオオミカミの鏡は、そこで作られたのでしょうか・・・!?
淡路島・沼島へ
徳島のあとは、淡路島へ。
「男はつらいよ」の寅さんが、よく言うセリフをご存知ですか?
「国の始まりが大和なら、島の始まりは淡路島~」
と言われる通り、淡路島は、イザナギノミコト・イザナギノミコトが一番最初に生み出した島と神話で言われています。
淡路島という言葉は、「淡」(阿波)へ「路」(向かう道)の「島」(島)と、聞いたことがあります。
淡路島は島の始まりであっても、阿波へ向かう島という意味として考えると、阿波が中心として考えられているように思います。
淡路島では高速船に乗って沼島にある「オノコロ神社」へ参拝に行きました。
沼島は、オノコロ島の第一候補と言われている島。
実は淡路島にも「おのころ神社」があります。
本来のお社って、素朴なはずだったと思います。
沼島のオノコロ神社は、素朴でなにかホッとするような聖地でした。
そして沼島にある上立神岩へ。
「天の御柱」とも言われ、国生み伝説の1つとされています。
この岩を見ながら皆さんで海を眺め、寝転んだり、話をしたり、のんびりする時間がありました。
これが皆さんにとっての「浄化の時間」となりました。
まさに海の力。沼島は行って大正解でした。
そのあとは、林先生が講座の中で触れた「沼島八幡神社」にも参拝しました。とても素敵な森があります。
そして最後に淡路島の一の宮・伊弉諾神宮へ参拝しました。
徳島の古代の謎
初めて行った徳島・淡路島ツアーは「海あり山あり」のツアーで、行くところも多くて、ちょっと忙しいツアーではありました。
いろんな人との出会い、神と仏、学び、浄化、パワーフード、盛りだくさんだったと思っております。
高天原は徳島県であるという人はいますし、実は古事記(ふることよみ)は、徳島県内で起こったことを言われているという書籍もあります。
四国八十八ヶ所は、実は徳島にある大事なものを隠すための目くらましであるという説もあります。
この説が本当なら、本当に大事なものって何でしょうか?
空海がそこまで隠したかったものって何でしょう。
徳島には不思議な遺跡がいろいろあるので、理解は難しいかもしれません。
探せばいろんな発見があると思います。
普段から自分の感性を磨いている人は、何らかの「氣」や、その重要性を感じるかもしれませんね。
今後も徳島のツアーを行っていきたいと思っています。