戸隠神社で得た天と地のエネルギー
以前、ツアーで戸隠神社参拝に訪れた時のことです。その少し前にテレビ番組で戸隠神社が紹介されたため、特に奥社はものすごい人でした。
それでもガイドさんが教えてくださった観光客があまり行かない道に入ると、清々しい緑の森と巨木に出会うことができました。
奥社だけでなく、中社や宝光社でも本当に素晴らしいご神氣に満ちていました。中社の朝の御神楽奉納も、神々と共に過ごしていると思えるぐらいの、素晴らしいものでした。
そして、ちいろば旅倶楽部の団体以外に一緒にお神楽を奉納した新潟から来られていた方たちは、戸隠神社参拝がなんと、150回以上。
「自分がこうして生きているのは、戸隠大神のおかげ」と感謝の言葉をおっしゃっていました。何度もお礼参りすることは大切ですね。
宿泊の辻旅館さんでいただいたお食事やお酒には、まさに聖地・戸隠のパワーとエネルギーがいっぱいつまっていました。心も体も喜んで、おいしくいただきました。お天気にも恵まれて良かったと安心しました。
天候がおかしい!?
習慣として、たまにですがジョギングをしています。暑い中のジョギングは結構しんどいのですが、走ることは、頭を空っぽにしたり、瞑想したり、自分の我欲から離れたところにあるように感じます。
そして太陽の暑さをジリジリ感じたり、空や雲の状態を見たり、風の音を聞いたり・・・。道を一生懸命渡ろうとするミミズ、鳥や昆虫の様子・・・。先日は蜂の攻撃にあいましたが、刺されずにすみました。^^;
私の場合、走りながら、私たち人間は自然の一部であり、天候、動植物すべてがつながっていると感じています。
しかしここ最近の異常気象は、「おかしい」と思うことばかりです。異常気象になると私たちの生活全般に支障をきたすこともあります。
異常な状態になって始めて、「何でもない平凡な日常が、いかにありがたいものか」を実感することになります。
水がないと飲料水はもちろんのこと、トイレの水も流せない。お風呂も入れない。当たり前だと思っていたことが、当たり前でないと知る。
今のような異常気象のとき、過去の日本の歴史から学ぶことができると思います。
日本の大切な伝統と知恵
日本には昔から異常気象や飢饉がありました。
古代の日本人は、ひとつの神に対してふたつの「魂(タマ)」を見ていました。
すなわち「荒魂(あらみたま)」と「和魂(にぎみたま)」。
祟りや天変地異を起こした神の荒々しい側面である「荒魂」を鎮めるために行ったのが、「お祭り」です。
また、そうした天変地異が起こる背景には、人の心が神さまから離れたときだったのではないかと聞いたことがあります。
かつての日本人は厳しい環境に順応し、進化してその生命と日本の自然や文化を伝えて、「今自分たちがあるのは、神さまやご祖先のおかげ」との崇敬の念を培い、感謝の日々を過ごしてきました。
これこそが日本人が古来より伝えてきた大切な伝統の1つだったのです。
天つ神と国つ神のお恵み
私たちは、天と地の両方のエネルギーをいただいて生きています。
生物を生かしてくれる天と地のエネルギーが、神話でいうところの天つ神、国つ神のお恵み。
両方のお恵みがあって、多くの生命が誕生します。
太陽の天のエネルギーで私たちの体は丈夫になり、地のエネルギーの樹木によって酸素にかえられて呼吸をすることができます。
他にも、私たちが生きていくうえで大切な塩は、海から生まれた地のお恵み。
私たちは、八百万の神々のご加護によって生かされているという感謝。
今の私たちには、その「感謝」が充分ではないように思います。
日本古来の知恵で、暮らしやすい潤いのある世の中へ
はじめは個人的な祈りや感謝でも、やがては理屈のない感謝、無我の感謝につながっていくはずです。そうすれば、もっと暮らしやすく、もっと潤いのある世の中になっていくはずです。
『神道 感謝のこころ』葉室頼昭著 春秋社より
多くのものを与えられているのに不平・不満ばかり言う。
悪いことを言えば、悪いことが起こる言霊信仰。
私たちの多くが、古来の知恵を忘れてしまったように思います。
人への感謝、神への感謝、自分をめぐる周囲環境、自然の事物、神の恵みとその仕組みに気付くこと。そして感謝を捧げること。
そうすれば、私たちの向上、進歩、進化、発展につながるのではないでしょうか。
1人1人が氣付いたら行動すること。
それがいつか、より良い暮らしと世の中に変わっていくのではないかと思います。
~参考文献~
●『神道 感謝のこころ』葉室頼昭著 春秋社
●『神から人へ』ひふみともこ記 今日の話題社
●『神道入門』武光誠著 幻冬舎