鹿島神宮「要となる決意を支える聖地」
私たちの一生の中には、何度も意を決する時が訪れます。進学か就職か進路を選ぶ時、また、離職や転職を決める時、仕事や家庭での人間関係に悩む時、あるいは、結婚相手やパートナーを選択する時などにも悩んだ末の大きな決意が必要な時があります。
自分で決断したこれから進むべき道が果たして正しいのか、あるいは間違っているのか。決断するにはまだ早過ぎるのか。神様の啓示をあおぎ、意を決したことを神様に報告するのに相応しい場所が鹿島神宮です。茨城県のパワースポットとしても人気のある神社です。
鹿島神宮は武道の神様としても有名なため、命がけで必勝を祈願した昔の武将が多いことでも知られています。現代人においても、本当に悩みに悩みぬいた末の決意を報告すれば、それをやり遂げる強い意志と力を得られることができるかも知れません。
心の振動が、地震につながる
鹿島神宮には「要石(かなめいし)」があり、大変なパワースポットと言われています。但し、スピリチュアリストの江原啓之さんは、そこへは現世利益を求めて行くのではなく、信仰の原点とも言える場に立たせて頂いているあり難さを感じて、神々に感謝を静かに捧げてほしい言われます。
怒り、苦しみ、不安や嫉妬に捕らわれてしまった時、私たちの心は感情的になり大きく乱れ、大地震が起こったような状態になります。1人1人の心の振動がいずれ大きな社会の地震につながります。通り魔や虐待、自殺、猟奇的な殺人事件などは、社会的な地震が起こっている様なものです。
不動心を持つ
鹿島神宮の要石は、まるで「自分自身の心のなかにも要石を置きなさい」と教えてくれているかの様です。つまり、どんな時にも不動心を持つことが大切。しかし、不動心を得るのは並大抵のことではありません。どんなことが起こっても、決して乱れない心を持つには高い精神修養、精進が必要となるでしょう。
現代人は目先の小さなことに一喜一憂して自分自身を見失ってしまうことが多い様に思えます。だからこそ、鹿島神宮を参拝し、心に要石を刻むことができる様に祈りを捧げることが大切なのではないでしょうか。
人生の中で、その方向性が決する様な大きな決断を行い、決意と共に決して揺らがない心を手に入れるために、鹿島神宮を訪れ自らと静かに対話することをお勧めします。
香取神宮「道を見据えるための聖地」
日本人の「道」
古来日本人は、様々な場面で「道」を生み出してきました。香取神宮のご神徳である「武道」もその1つ。ここでいう「道」は、マナーや作法。一言では表現できない深い精神性のことを指します。
武道は勝敗よりも精神的な美しさが優先されるために、勝敗により優劣をつける格闘技とは一線を画します。私たちの日常の中にもさまざまな「道」があります。「○○道」という表現を至る所で聞いたことがあるでしょう。一つのことを極限まで追求した姿が「道」なのではないでしょうか。
ところが今の私たちには「道」を見失いつつある様に思えます。周りに流されるだけで自分の中に格としたものを持ち得ないのが現代人かも知れません。地に足を着け、決して揺らがない心のあり方が今問われています。
そして、人の生き方そのものは、あらゆる「道」に通じているのではないでしょうか。何かに迷ったり、心に余裕を失っている人は香取神宮の森林の中を歩き、ご神域のエナジーを取り込みましょう。香取神宮は鹿島神宮よりもさらに静けさに包まれた森林があり、内観するにはもってこいの場所です。
内観して、自分の心の中に決して揺らがない要石を置き、自分のこれから行くべき「道」を見据えて前進したい人にお勧めしたいのが、香取神宮です。
香取神宮の神様である経津主神(ふつぬしのかみ)は太刀でフツと斬る偉大な力をたたえた神名です。鹿島神宮の甕槌大神(たけみかづちのかみ)は猛く厳しい意の御名で建(豊)布都神<タケ(トヨ)フツノカミ>ともいわれます。
両神とも剣の威力にかかわり、日本の建国に大きな功績をたてられた神と伝えられています。世に有名な「香取神道流」「鹿島神道流」が生まれていて、武道の神様としても有名です。
心に邪心を切り裂く剣を抱き、香取神宮は鹿島神宮と同様に「自分の道」を導き出し、それを極めていくにはやはり「行くべき聖地」と言えます。
また、日本神話で両神は出雲大社のご祭神オオクニヌシノミコトと平和的に話し合いの末、国譲りを実現されました。今の時代に欠けている「人とのコミュニケーション力」にも有効だと思います。様々な問題を平和的に会話することで解決する強さが欲しい方にもぜひお勧めしたい神社です。
強い意志力は時には周りとの不整合を生むこともあります。決意を実現し物事をやり遂げるには、現実的なバランス感覚も必要となります。自らの「道」を周りの道につなげていくためにも、ぜひ訪れたいパワースポットです。
(参考文献)
江原啓之著『今、いくべき聖地(スピリチュアル・サンクチュアリ)』(マガジンハウス)