お礼参りをしていますか?
人気の神社などパワースポットへ訪れて様々な願い事をする人もいるかと思います。そこで、もし祈りが通じたとしたならば、その後にお礼参りには行っていますか?
合格祈願、安産祈願、厄除けなどで神社に正式参拝やご祈祷などに行くことが多いのだと思いますが、受験に合格した後や子供が無事に生まれた後、あるいは、無事に厄年を越えられた後にそのままで終わっていませんか。
すっかりお礼するのを忘れていたという人が案外多いと思いますし、また、お礼参りの必要性を全く認識していない人もいるかも知れません。
参拝した神社の神様にお礼参りをすることはとても大切なことですので、忘れずに必ずお礼参りはするべきなのです。
神社の神様にお礼参りをしないということは、日常生活の人間関係の中であれこれ頼んで世話させておきながらお礼も何も言ってこない人のことを「ちょっと失礼な人かな~」と私たちが思うことがありますが、実はそれと同じことになるのです。
スピリチュアルな視点からたいへん興味深い話があります。
心霊研究家の浅野和三郎さんの書籍『小桜姫物語』の中では、神社のご祭神である小桜姫がその神社の参拝者に対して思いを述べる一説があります。
神社参拝でお願い事をした後に「あの神社に参拝しても良いことが無かった」と言った人がいました。この様な発言は、ご祭神の小桜姫にはちゃ~んと聞こえているのだそうです。
一方で、苦しいことや辛いことがあっても淡々と受け入れる。そして普段の感謝を伝えに参拝に来る人。そうした参拝者に、小桜姫は何とかしてこの人を幸せにしてあげたいという氣持ちになったと書かれています。
合格祈願で神社に参拝しても受験に合格しなかったらその神社のことを悪く言うなんてことがあったとしたら、いかに神社の御祭神でも余り良い気持ちはしないのではないでしょう。
逆に、受験に合格しようが失敗しようがお礼参りに行って今までやってこれたことへの感謝だけを述べるという謙虚な人に対しては、小桜姫の様に何とかしてその人の力になりたいと思うのでしょうね。
ここで、お礼参りをしないと神様から恨まれるとか、お礼参りをすれば神様に今後更に優遇してもらえるとかいう問題でもありません。
1人の人として、願いを叶えて頂けたと思うのなら感謝の意を表すのはむしろ当然のことです。相手が人であれ神様であれ、礼儀を果たすのは当たり前のことと言えるのではないでしょうか。
また、お礼参りには足繁く通い神社の神様には感謝するけれど、日常生活の中では一切人には感謝しないしお礼も言わないという態度もいけませんね。これでは現実世界を生きているとは言えません。
謙虚な姿勢さえあれば、どんな相手にでも感謝の念は必ず沸き起こってくるのですから、それを素直に表現すればよいのです。
お礼参りの方法
神社へのお礼参りは、もちろんお願い事をした同じ神社にもう一度足を運んでするべきです。期限は特にありません。願いが叶ったら1年以内に行かなければならないということもありません。
そして、願いが叶った場合はもちろんのこと、願いが叶わなかった場合でもお礼参りには行くべきなのです。神社にお願いをするに至るまでも、お願いをした後も、あなたは多くの人達に支えられ、そして、多くの見えない存在にも見守られているからです。
お願いをした結果がどうであれ、全てを受け入れて前向きに人生を進んでいくためには、結果が意に沿わなかった時も感謝の気持ちを忘れてはなりません。
お礼参りの時には今までの感謝を伝えるだけでよいと思います。
自分が今あるのは今まで自分と関わりのあった全ての人々のお陰であり、神様による見えないご縁の導きであることを認識しているからこそ、お礼参りに出かけるという行動に結びつくのではないでしょうか。
もし、遠方など様々な事情でどうしても神社へお礼に行けない場合は無理に行かなくてもよいと思います。神社のお札を神棚におまつりしてあるのであれば、神棚に向かって深く感謝するだけで十分です。または、神社のある方向へ向いて手を合わせるだけでもよいのだと思います。
合格祈願や安産祈願、厄除け等でお守りをいただいている場合は、できればお礼参りの時にお返しすればよいです。また、その時に忘れてしまった場合などは後日でも構わないと思います。
また、お礼参りで、感謝として絵馬やお酒を奉納したり、それ相応の金銭を初穂料として納める方もいるかと思います。
これらはそうしなければならないということもなく、全て個人の判断に任されるべきものでしょう。感謝の度合いから自分で判断されればよいと思います。
ここで、お礼参りの奉納や初穂料が少なかったからといって、あるいは決められた形式通りではないとして、神様から感謝が少ないと判断されるということは絶対にありません。お礼参りの正しい作法があるとするならば、それは後から人間が決めたことです。必ずそうしなければお礼をしたことにならないということはないはずです。
どうしても形式が気になる場合は、その神社に問い合わせてみてから、お礼参りを通例どおりに行えばよいのではないでしょうか。
改めて、お礼参りとは
お礼参りの時に大切なのは感謝の意を示すと共に、願いが叶った後の具体的なこれからの決意と行動です。
お陰さまで願いが叶ったのだから、それで終わりではなく、今までお世話になった様々な方のために、願いが叶ったその状況をこれから活かしていこうとする気持ちが大切です。
お礼参りでは神様に「感謝」と「これからの決意」を示しましょう。
また、お礼参りの時に、新たなお願い事を合わせてすることは控えるべきです。お礼参りは「お礼」だけにしましょう。その後の自分の努力の結果次第で次を考えるべきものだと思います。
ここまで考えてくると、思い通りになる/ならないで一喜一憂するのではなく、どんな結果も全ては自分の人生を生き抜く過程に過ぎず成長する機会である捉えるべきであると思います。
願いが叶えば、そのありがたい状況を感謝して更に発展させていく。願いが叶わなければ、その原因を反省して、あるいはお願い自体を正しい方向へ修正するなどして再び歩き出す。どう転んでも、人生は前に前に進んで生きます。
その自分の人生を形成する一つの出来事に感謝の気持ちを表す一つの区切りが「お礼参り」であると言えるのではないでしょうか。
ツアーで行くお礼参り
お礼参りをしようとすること自体が神仏など目に見えない崇高な存在に対する畏敬の念と自分自身の謙虚さが成せることではないでしょうか。自分1人だけでお礼まりに出掛けるのもよいですが、そんなお礼参りを是とする意識の高い人達と共に神社仏閣を訪れてはいかがでしょうか。きっと自分と同じ様に考える人達との心の交流を伴った強い共感が体験できることでしょう。