大切な日々の祈りとその効果
皆さんは毎日、心静かな時間を設けて何かを祈るということをされていますか?
祈りはとても大切なことです。
毎日、家の神棚に手を合わせる方や毎朝昇ってくる朝日に手を合わせて祈る方もいるかもしれません。
また、神社やパワースポットへ出向いて祈るという方もいるでしょう。
ここでの祈りとは、「願い事を叶えて下さい」と念じる祈りではありません。
祈りとは、スピリチュアルな視点からすると、自分に内在する「神」との対話と言えるのです。「内観」の意味に近いかもしれません。
『自分という神を通して、自分を映し、自らの未熟さや磨き足りないところに氣づくことが祈りの実践である。』とスピリチュアリストの江原啓之さんは言われます。
そして、祈るということは重要なことで、念力は祈ることから生まれてきます。
そのため、人生において何か困難な課題にぶつかった時や些細な原因で悩み苦しむ時、人は祈り続けることでその答えを引き寄せ、結果的に必要な方向に導かれて行くのではないでしょうか。
江原さんは祈りの内容を以下の通りに分類されています。
・自分自身が生きている中でのさまざまな感謝
・自分はどうしたら人や社会や世界平和に貢献できるか
・自分自身の欠点、問題点
・悩んでいること
祈りの内容は人によって様々ですが、どんなことを祈り続けたとしても必ず何かしらの結論が出るのだそうです。
そして、正に自分が導かれている様な体験をすると、人は自分を超える大きな力に見守られていると実感します。
マザー・テレサは何かのたびに必ず「祈りましょう」と言っていました。
困ったことがあっても、祈れば必ず答えが返ってくる。
そして大切なことは、祈って出た結果は受け入れるということ。
それを「神さまは必ず何とかしてくださるから。」と話していたそうです。
私達は毎日の生活に忙殺されて、祈りの時間を持てません。
自分と向き合う時間がなかなか持てず、祈らないから念力も生まれない。
だから進むべき道が定まらず、思うように物事がすすまないのかも知れません。
祈りが自分の内なる神との対話であり、祈り続けることで何らかの道を切り開くことができるのだとするならば、忙しい現代人であればこそ祈りの大切さを認識するべきではないでしょうか。
効果的な祈り方
神社やパワースポットで参拝する時には感謝をすることが大切だといいます。
ツアーで神社などに皆さんをお連れする時には、神さまには全てお見通しなので感謝を伝えるだけでも充分ですとお伝えすることがあります。
一方で、神社で具体的な夢や希望の誓いをする時もあります。
お伝えすることは様々なのですが、では、皆さんは神社やパワースポット、あるいは自宅や特定の場所で祈ったり参拝する時に、具体的にどのように祈ればいいのかと悩んだことがありませんでしょうか?
ある米国の研究機関でラリー・ドッシーという医師が行った科学的実験によれば、祈りには実証的な効果があるということが言われています。
では、どのような祈りが、最も効果があるかという結果が出たのでしょうか。
その結論は、非指示型の祈り(あるがままに)の方が、指示型の祈り(こうなるように)に比べて数値的に効果が大きく、2倍もしくは、それ以上の効果を生むことあるということでした。
<指示的な祈り>
心の中に特定の目標やイメージ、望ましい結果を思い描く。自分の望む方向に操作しようとする。<非指示的な祈り>
心にいかなる結果も想定しない。制限なしの祈り。どうこうせよと指図しない祈り。
つまり、「思い通りに」よりも「御心のままに」という単純な祈りの方が、数値的にはるかに効き目が大きかったと報告されています。
これは人の生き方にも、当てはまるかもしれません。
自分で精一杯の努力をすることを前提の上で、後の結果は「神さまのお導き、御心のままに」ということで全てを天に委ねるという考え方。
「人事を尽くして天命を待つ」ということにつながる様な気がします。
また、ここで確かに実証実験では非指示的な祈りが有効だとされましたが、一方で、自分の具体的な夢を叶えるために絶え間ない努力と強い意思の力で目標を実現する人も中にはいますので、それはその人の性格・気質的なものに関係がある様にも思えます。
どんなかたちであれ、祈りは有効に作用します。
そして、人の性格や気質によって、相応しい祈り方があるとも言えそうです。
また、実証実験においても、内向的性格の人にとって非指示型の祈り、一方で外向的性格の人であれば指示型の祈りの方が良い結果をおさめた可能性があるそうです。
従って、「祈り」には効果があるが、いかに祈るべきかという定式はなく、万人に共通の「正しい祈り方」も存在しないということが言えるのではないでしょうか。
神社で参拝や祈りをする時には、「感謝」を伝えるだけでも良いし、あるいは「具体的な夢や希望」を誓っても構わないし、その両方でも良いということになります。
また、人の性格によって効果的な祈りの具体的な方法はそれぞれ違うと考えられるので、ご自身はどんな方法が一番効果的なのかをぜひ考えてみてみましょう。
きっと、自分にとって最も効果的な祈り方が見つかるはずです。
ただし、「人事を尽くさない」自助努力の全くない祈りは、神様には絶対に届かないので、ご注意ください。
(参考文献)
『スピリチュアリズムを語る』江原啓之著 PARCO出版
『癒しのことば―よみがえる「祈り」の力 (ヒーリング・ライブラリー)』ラリー・ドッシー著 春秋社