何年か前のことですが、与論島へ移住した私の両親の家の留守番のために、その年の年末に与論島に向かいました。そして、両親がフランスへ海外旅行に出掛けて戻って来るまでに飼い犬の面倒を見ることも目的の一つでした。
しかし、その年の年末はヨーロッパでは大雪の影響で空港がクローズしたりフライトが欠航したりという始末。
両親もフランクフルト空港で足止めとなり、フランスへのフライトを諦めて汽車で4時間30分の旅となったそうです。(途中まで席がなくて立っていたそうです)
更に何と両親は出発前に空港で預けた荷物も結局受け取れず・・・。(旅行から戻って来てもまだ届かない)
「感動!フランス8日間」のツアーが、「着の身着のままフランクフルト、フランス8日間」という大変なツアーになってしまいました。
ツアー中はどのような状況だったのか。添乗員さんの様子も含めて両親から話を聞きました。
ツアーは大手旅行会社主催のもので、旅慣れた人ばかりが参加していたので、苦情を言う人がいなかったそうです。添乗員さんに怒ってもどうしようもないですからね。
別の団体客の中には大雪の影響で崩れた行程への不満を周りに当り散らしていたという人もいたそうですが、何でもすべて行程通りに行くことは奇跡にちかいということを知っておくことが大切です。
この話を聞いて、旅行という非日常の中ではその人の器の大きさを垣間見ることができるのだなと思いました。
トラベルの語源
トラベルの語源は、「トラブル」。旅にはトラブルが付きものです。
何も起こらないほうが珍しいぐらいです。
ツアーで交通や天候、飛行機のアクシデントやトラブルがあったとき、時々、添乗員さんに当り散らしたり、不安や心配を抱かせるような話をするツアー客が確かに1人や2人はいます。
また、一方では、フライトの遅延があっても「仕方がないね」。フライトに何らかの故障があって遅延があっても、「今、分かって良かったね」と言える人がいます。
この2種類の人達を見比べると、人としての器の大きさ、そして、小ささを感じます。
非日常である旅行中というのは意外に素の自分が出易いのでしょうか。正に、トラブルに出会ったときにこそ、その人の真の姿が現れるのかもしれません。
全てをプラスに変える努力
旅の最中でどんな不都合なことがあっても、それをプラスに変えられるかどうかが大切だと思います。
初めて行った海外ツアーであるハワイ島ツアーの時には、多くの反省と氣付きがたくさんありました。
反省すべきことについては反省が必要です。一方、同じ出来事に対して、人によってこれほど受け止め方が違うのだと学びました。
ハワイ島ツアーでガイドをしてくださったポハク西田さんは、ハワイ島は、自分の内に押し込め隠した様々なものが浮かび上がってくる場所とおっしゃったことに納得したのでした。
普段の日常生活の中で押し殺しているマイナスの感情が海外旅行中の何かのきっかけで急に湧き出てくることが珍しくないのだと思います。
小さなことが原因で海外旅行中にずっと不機嫌でいるよりは、自分だけでなく周りの人達をも楽しくさせることに焦点を当てて立ち振る舞う方がよっぽど賢い選択です。
旅行中にどんなことが起こったとしても、旅を楽しい思い出にすることができる人にこそ、人としての器の大きさを感じます。
不動心を養う
ツアー中にアクシデントやトラブルが起こっても受け止めるしかありません。
そんな心構えができているかどうか。旅の経験があってこそ受け止められるものかもしれません。
すべては経験と感動の多さで、旅における「人の器」も大きくなっていくのでしょうね。
旅の最中だけではなく、さまざまなことに不動心を持つことが必要なのだと思います。
とても難しいことですが、もっと強い心になれますように、自分に起こるすべてのことを受け入れる大きな心が持てますようにと常に祈っています。
旅先であっても、神々に誓いをしたいと思います。