1990年頃ハワイ島で、ある日本の企業がハワイアンの人たちの聖地をゴルフ場にしようとしました。すると、ハワイアンの人たちの大反対にあいました。そして、そこにはその土地の問題だけではなく、イルカやクジラが子育てをする有名なケアラケクア湾という美しい海の環境破壊の恐れもありました。
そしてそれから20年を経て、その企業は、今、大変厳しい経営状況にあるそうです。その会社の危機は、単なる事業運営を見誤っただけの経営的な問題なのか。あるいは、他にも様々な問題も合わせて、複合的に起こったものか。
皆さまは、どう思いますか?
日本の神話から知る「自然の恵み」
日本の神話には、たくさんの神さまが登場されます。
神さまは大きく2つに分けられます。
1つは天つ神、もう1つは国つ神。
天からお恵みをくださる神さまと、地からお恵みをくださる神さま。
日本人は、こうした八百万の神々のご加護によって生きています。
私たちの体に必要な塩。
塩などのミネラルは、地球の中のどろどろしたマグマが海の中にふき出て海水で冷やされ、マグマの成分が溶け出してできたもの。
そして太陽のエネルギーで私たちの食べ物が育ち、生命が育ちます。
こうして、自然のものを私たちは、いただいて生きています。
そうした自然の恵みの感謝を忘れたら・・・。
スピリチュアルな視点から言えるのは、それを反省させるための大きな出来事が起こるということ。それが、世界で起こり得る「食糧危機」。
小麦価格の高騰から日本の食糧自給率の低さが注目されましたこともあります。
今も解決されてはいません。
霊力(マナ)に守られた地
ハワイ島は、自然も聖地も、波動の力がとても強い場所です。
なぜならハワイアンの人たちの、聖地を守る意識がとても強いから。
そしてその土地の人々を守ろうとする、目には見えない神々が御力を発揮されているのだと思います。
ハワイ島にある「ワイピオ渓谷」は、ハワイの王たちの楽園と呼ばれ、ハワイアンの人たちが今も大切にしている聖地です。
1946年に起こった大津波が襲ったときは、ワイピオ渓谷で1人の犠牲者も出なかったそうです。
その理由として、その土地を守る偉大な族長が亡くなったあとも、この土地を守り続けているからだと、言われています。
ハワイの人たちは今もなお、先祖が大切にしてきた土地を守り続けています。一方で日本の現状はどうでしょう・・・。
日本人が大切にしていた自然信仰
冒頭に日本企業がハワイ島でかつて起こしてしまった問題をご紹介しました。
地元の人の誇りと聖地を破壊し、その土地を守る神様の居場所をなくしたら・・・。破壊した会社の未来の発展は果たしてあるのでしょうか?そして、その土地でこれから事業をしていく上で、お導きやご加護はいただけるでしょうか。
私たちは家を建てる際、地鎮祭をします。地鎮祭は、その土地にいらっしゃる神様に、「ここに家を建てさせてください」というお願いをするためのものです。つまり、目には見えない土地の神さまへのご挨拶ですね。
目に見えない存在に対する畏敬の念が人々の謙虚さを促します。地球という大きな枠組みの中で、その構成要素の一つに過ぎない人間の勝手な都合で自然環境を破壊してよいなどという道理などあるはずがありません。
人間は多くの知識を得たために、自分の力でなんでも出来るとうぬぼれ、勝手なことをして、地球の自然を破壊しています。
理屈など捨てて、神様の本当の世界を見なければ、人はさらにむちゃくちゃな間違いを犯すかもしれません。今こそ、見えない神様の偉大さを知らないままでいると、とんでもないことになると思うのです。
『神道いきいきと生きる』葉室頼昭著(春日大社前宮司)春秋社
上記の「今こそ、見えない神様の偉大さを知らないままでいると、とんでもないことになると思うのです。」という奈良県にある春日大社の葉室前宮司の言葉。
そして、「自然の破壊は人間の破壊」と言った南方熊楠が新聞などのメディアを通して熊野の自然保護を訴えた言葉。
何れも我々日本人の旨に深く突き刺さる言葉です。
さまざまな「氣付き」から知る
「自分さえ良ければ良い。」という私たちの間違いは、いつか、氣付きとなって返ってきます。
それが自然災害、病気、経営危機等、さまざまなかたちで。
私たちが自然を守り、八百万の神々に感謝を伝えることで、神様にさらにご神威を発揮していただき、さらに日本全体を守っていただき、元気にすることが可能なのです。
ご利益・神頼みでしか神社に行かない方もいらっしゃると思いますが、これからは「ご利益・神頼み」から、「感謝」の言葉に変えていきませんか。
そんな人が1人でも増えれば、日本全体に元気を取り戻すことができるのだと思います。そしてより多くのご加護をいただけることでしょう。
一緒に、この国や人を元気にしていきましょう。