三浦海岸で思った一族レベルのカルマの法則
走水神社と小桜神社を巡るツアーは、ツアータイトルは様々ですが、数年に一度は行っています。そして、今回の「走水神社と小桜姫ゆかりの地を訪ねる日帰りツアー」を終えた後に多くの学びがありました。
走水神社のご祭神であるヤマトタケルノミコトとオトタチバナヒメノミコト。そして小桜(若宮)神社のご祭神は小桜姫。『小桜姫物語』の主人公です。走水神社、小桜(若宮)神社のご祭神は、人として生きておられた人霊です。
オトタチバナヒメノミコトについては日本書紀に、小桜姫については、『小桜姫物語』の中で書かれています。
小桜姫は、足利時代の末期、新井城の城主、三浦道寸の息子の嫁であることが書籍の中で語られています。(今の神奈川県三浦市)
今回のツアーでは三浦家のお墓がある新井城の城跡にも急遽、行くことになりました。ツアーで参拝した神々の生き様から、そして歴史から、貴重な学びがありました。
走水神社のご祭神、ヤマトタケルノミコトとオトタチバナヒメノミコトの神話について、ご存知でしょうか?
ヤマトタケルノミコトが房総半島を渡ろうとした際に海が荒れ・・・。
海の神が、ヤマトタケルノミコトの命を奪おうとしていました。
そんな時、オトタチバナヒメノミコトが自分の命と引き換えに荒れ狂う海へ入水され、ヤマトタケルノミコトを救いました。
どうしてこのようなことが起こったのか?
「小桜姫物語」には書かれています。
ヤマトタケルノミコトの様に日本にとって大恩人であったとしても、過去の戦いで多くの人を殺している。そして、殺された人たちの怨霊や、憎み、呪っている人たちの生霊が海の神と一緒になり、ヤマトタケルノミコトの命を奪おうとしたと書かれています。
一方、小桜姫の三浦家は、北条早雲に滅ぼされました。書籍によれば、小桜姫の家を滅亡させた北条早雲への恨みは強く、死んでからもその憎しみのため、なかなか修行が進まなかったようです。
そして、北条早雲の家系は、その後、豊臣秀吉に滅ぼされます。
このことを考えてみると、憎しみや恨みを人に与えてしまうと、いずれ自分のところに返ってくる「因果応報」という歴史を思います。一族を滅ぼしたが故に、何れは自分の一族も子孫の代で滅ぼされてしまうという「一族レベルのカルマの法則」とも言えるかも知れません。
歴史から学ぶ因果応報
強い戦国武将が戦って、多くの人を殺して、戦に勝ちます。戦にその時に勝ったことだけが取り上げられます。テレビドラマでもその時に勝った人たちがストーリーの中心になって編成されています。
本当に大切な歴史とは、その武将が、その一族が、その後どうなったかという点のように思います。子孫がどのような運命をたどっていったのかを見なければいけないと思います。
人を殺したり、家を滅ぼした武家の家は、結局は子孫の代で絶えて滅びているのがほとんどの様に思います。
善い行いには善い事が。悪い行いには悪いことが返ってくる。
助けたら、助けられる。殺したら、殺される。
必ず結果があらわれる「因果応報」、そして、カルマの法則。
先祖が行った行為で、本人に結果があらわれない場合は、子孫が受けることになるのでしょうか。私たち1人1人が「因果応報」という考えを持っていれば、殺伐とした世の中も、変わっていくのではないかと思います。
やられたら、やり返す。それでは、いつになっても戦いの連鎖は終わりません。
たとえいわれのない仕打ちを受けたとしても、その結果を自分の所で甘んじて受け留めて周りの何処にも負のエネルギーを発しなかったとしたら、もしかしたら、そこで流れが変えられるかもしれません。
因果応報の連鎖を超えて
今は若い世代の2人に1人が、非正社員なのでそうです。このまま彼らが40代、50代になると、日本はどうなるか?競争力を失い、年金・医療制度も崩壊。日本の将来が想像できます。
例えば、不況時にはリストラが多く行われています。リストラをして企業は不況を乗り越えることができたとしても、リストラされた人の苦しみは、どうなるでしょうか。リストラした企業も、またそれだけの苦しみを将来に渡り背負うことになるのではないでしょうか。
しかし、リストラしなければ、企業は潰れてしまうという理由があるかもしれません。でも、リストラしなければならないほど事業を拡大して人を雇ったということの結果で、それが表にあらわれてきています。
歴史は過去の積み重ね。過去の結果が現在に表れてくる。
因果応報となって、さまざまな形であらわれる。
私たちの日本の歴史、日本人の生きざまから、現代の日本の問題を解決する糸口があるように思います。
カルマの法則は個人レベルだけではなく、民族や一族、国としてのカルマの法則も存在します。自分には関わりがないことであっても、過去の日本の行ったカルマは今の日本人に返ってきます。そして、現代の日本や世界で行っていることが結果として今度は地球レベルでカルマとして返ってくるのです。
更に、前世や生まれ変わりがあるとするならば、前世のカルマを現世で受け、現世のカルマは来世に持ち越すなどということがあるかもしれません。正に輪廻転生レベルの因果応報の連鎖です。
もし、過去の祖先のカルマを甘んじて受け、現代で解消し、将来の子孫にはカルマを残さないという行き方を誰もが出来たとしたならば、そして、それを何世代にも渡って少しずつでも継続できていけたとするならば、この世の中も少しは良くなっていくのではないかと思います。輪廻転生の話でも同じことが言えるかもしれません。
三浦海岸の穏やかな波打ち際で、そんなことを考えていました。